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150年前からなる古民家を残したい…未来へつながる遺構再生
古きよき伝統を未来へつなげる
お施主様のご実家は、150年前からなる古民家で、長年空き家状態が続き、その対処方法を悩んでおられました。
本来であれば、解体という選択になるのですが・・・
ご先祖様から、受け継いだ家をできるだけそのままの状態で残したいといった思いがありました。
また、自分の生家がなくなる寂しさもあり・・・できれば、解体せずに、
未来へ残したいというお施主様の想いをカタチにするため、リモデルは始まりました。
伝統工法を守りながら…遺構再生
お施主様の思いを叶えるため、私たちが目指したのは「遺構再生」でした。
T邸には、現代に残る数少ない古民家の伝統工法が存在していました。
それを伝承すべく復元する為には、自分の中にある概念を捨て、謙虚に受け止め、忠実にその復元に精進をしていく必要がありました。
現代とは異なる数多くの加工法を見習い、道具、資材もすべて古材を調達してその再現に努めました。
かつての日本家屋を思い起こさせる空間
納戸から見たちょうだいと和室の風景は、かつての日本家屋を思い出し、どこか懐かしさも感じさせてくれる空間が広がっています。
囲炉裏を囲んでほっこり
竹すのこ天井に加え赤土をのせた「大和式天井」。
床の間上の天井に至っては、おがひき材が使用されており、現存しない道具なので、道具から作り復元には苦労しました。
囲炉裏、かまどなど、地方性に富む古民家の様式も、この土地ならではの播磨の特色を色濃く残すように努めました。
寒い季節には囲炉裏を囲み、温かなお鍋料理を堪能する楽しみも増えました。
新しいコミュニティの場
伝統工法を忠実に復元されたことにより、新しいコミュニティの場としてもたくさんの方に使用されるようになりました。
このような古民家は人が住んで管理することが一番有効ではありますが、T邸は毎日人が住むということは現状難しい状態でした。
そのため、裏の畑を利用して、お施主様を含めた仲間で月に1、2回完全な無農薬の畑を作るサークルを発足し、
できるだけT邸を空き家にしないようにすることで、「文化財」の内容を持ちながら「現役の人」の住まいを実現した、
未来に継続する古民家となりました。
- 築年数
- 約150年
- エリア
- 兵庫県姫路市
- 面積
- 700㎡
- 期間
- 120日
- 費用
- 総額1200万円