Projects 施工実績
和洋風の新しい古民家再生
古きよき雰囲気を残しつつ、快適に!伝統工法を用いたリノベーション
築80年の古民家は、ご先祖がもともとお店を営み、お施主様のお母様が住んでいましたが、
7年前に亡くなられてからは放置され老朽化が進んでいました。
現在、お施主様父娘はその母屋に住んでおられ、今回、40代の娘様が「住みたい」との想いから古民家リノベーションがスタート!
伝統工法を用い、釘は一切使わずに骨組みを復元する「古民家再生」に取り組みました。
梁の再利用やお店の名残りの踏み板を新しい玄関に移設したり、古きよき雰囲気を残しつつ、
新設の吹き抜けにより、昼でも暗かった室内は明るく快適に。
自然素材もふんだんに使用して、新しくも慣れ親しんだお家が完成!
住む人の想いが重なり、再生した和洋風の新しい古民家です。
◇ 勝手口のあった場所に風格ある玄関を
以前は勝手口として使っていた場所を今回玄関に変更。
間口にゆとりを持たせ、木製の引違い格子戸で風格あるお家の顔を作りました。
◇ 伝統的な玄関空間とお家の歴史を再利用した敷台
玄関内部の壁はじゅらく塗り、天井は片流れの船底天井で、伝統的な趣きを大切にしました。
お施主様はこの天井の梁がお気に入りだそう。
敷台は、以前の土間(お店)に使われていたものを移設して再利用。
お家の歴史とも言える当時の名残りを伝えます。
◇ 対面には和モダンな勝手口
玄関を入ってまっすぐ先の対面には勝手口があります。以前はこちらが玄関でした。
吹き抜けからの光が漆喰壁に柔らかな陰影を作ります。
ブラウン色の木製格子引込み戸が、繊細でモダンな和を演出。
足元の両側には、履物を収納できるスリットを設けました。
対面の伝統的な玄関とは対照的で、こちらも素敵ですね♪
◇ 格式ある書院造の和室を再生
玄関横にある和室は、書院・床の間・天袋・違い棚など伝統的な意匠が詰まった造りでしたので、美しく復元しました。
畳を入替え、土壁を塗替え、格式ある和室へと再生!老朽化した縁側の床板とアルミサッシも入替え、お家の気密性もアップしました。
◇ 古民家を生かしたLDKスタイル!
書院の和室から続く6畳の和室と、かつてお店だった土間を大胆にプランニング!
古民家ならではの梁や建具を生かした新しいLDKスタイルをご提案しました。
壁は漆喰塗り、床はパイン無垢材を用い、自然素材で心地よく。
時を経た梁や建具のコントラストにより、和洋風のモダンな空間スタイルに♪
梁の一部はこの古民家の別の部位の梁を再利用しました。
既存の板引戸と障子を開閉することで、空間はフレキシブルに使うことができます。
今後はお正月など、このLDKで親戚が集まるそうです。
◇ 吹き抜けのあるキッチンの間
キッチンを配した場所(土間のあった場所)は東向きのため、以前は昼でも暗かったので、頭上に大きな「吹き抜け」を設けました。
この吹き抜けにより、勝手口や2階も明るくなりました。キッチン横には、大容量の白い壁面収納を設けました。
造作のキッチンでは、不要になった階段の横板を対面カウンターに再利用。
ステンドグラスのランプは娘さんの手作りで、元のお部屋の間仕切窓に埋め込まれていたステンドグラスを使って製作したそうです。
◇ 緩やかになった階段で2階へ
古民家の階段は勾配が急なため、一段増やして緩やかに架け替えました。
手摺も加え、安心して昇降出来るようになりました♪
階段は、1階LDKの板引戸を開けた位置にあるため、季節や状況に応じてオープンにもクローズドにも使うことができます。
◇ 2階に繋がる吹き抜け
キッチン頭上の吹き抜けは、2階の廊下を取り払い、二間続きの和室へと繋がっていきます。
襖と畳を新調し、吹き抜けの開放感も加わり、明るく拡がりのある和の空間に生まれ変わりました。
2階は娘さんのお仕事部屋兼プライベートスペースとして活用されるそうです。
◇ 自然素材が心地よいトイレ&洗面
トイレと洗面は位置をずらし、玄関、勝手口、LDKどこからも近くなりました。
壁は漆喰塗り、棚やカウンターは無垢板で造作し、自然素材が心地よい空間に。
トイレは節水かつ洗浄力の高いTOTOピュアレストQRを採用。洗面ボウルは娘さんの選ばれた青い絵付けの陶製に。
下に棚をはめたいというご要望に、大工さんがカウンターをピッタリサイズにカットしてくれました。
◇ 黒壁の美しい和モダンな外観
1階玄関付近を一部減築したことで、家屋の形状がシンプルになり、外壁には黒塗装した杉板を貼り、
イメージも大きく変わりました。黒壁の美しい風格ある和モダンな外観となりました。
- 築年数
- 築80年
- エリア
- 兵庫県西宮市
- 面積
- 135.3㎡→120.8㎡