Column コラム
誰か教えて!この古民家、まだ住めますか?
茅葺き屋根に、住むの?住めるの? ~河原工房にお願いしたわけ~
メゾンUです♪
今回は茅葺リフォームへの決心に至ったお話を少しだけしたいと思います。
『この茅葺はねえ丹波の職人が作ったええ屋根ですよ』
見てもらった10件ほどのリフォーム会社さんのうち
この屋根を愛でたのは河原会長だけでした。
↑初めて見た当時の屋根裏
持ち主もわからないまま数カ月たち
突然進み始めたお家購入のお話。
(ちなみに購入する手続きだけでも2年ふんばりました。
河原社長やスタッフさんの力を借りながら・・・)
↑日の当たりにくい部分はすっかり苔むしています。
私はこの風景も好きなのですが(^^;)
そもそもこの土地でこの家を復活させることはできるのか?!
すべてがわからないことだらけ!
茅葺に住みたいと思ったことは実は一度もない私。
それなのに不思議ですが
他の業者の方が口々に『茅葺はやめた方が良い』という中
出来るという一言に会うまで待っていたのだと今では感じます。
会長が家を見に来た初日
『屋根裏に上がってみましょう』とおっしゃいました。
そりゃ見なくちゃ!と当たり前に思いますが
これも会長からしか出なかったお言葉でした。
↑東面
↑屋根に穴が開いていた北の山側。
裏山の木が育ち陰になり、すっかり苔むして屋根がやせていた。
当時屋根には大きな穴があり(推定築約60年;補修歴なし)
数年の水漏れで家の中はお化け屋敷状態。
↑水漏れがひどかった当時のキッチン
中の部屋の壁や天井は真っ暗で
カビの香りと今にも抜け落ちそうな床・・・
部屋の奥に入ることすら怖くて
屋根裏を見るなんて恐ろしすぎて考えることもありませんでしたが
開けてびっくり見てびっくり。
↑西と東に一つずつある窓
その屋根裏の美しいこと!
穴からは光が漏れていますが
雨漏りしていることが嘘のように何ともきれいな状態。
カビの香りもせず、むしろ心地よい香りがしました。
本当に不思議。
そして会長から聞くこの屋根のお話。
~故河原会長の伝言より~
草屋根の表面にチイ植物が生えているのは
環境の良いバロメータと言われています
草屋根の軒下に生えるのでノキシノブという
軒下に大きなスズメバチの巣。草屋根にはよくある光景
主人と私の気持ちは茅葺諦めモードからすっかり復活モードに急上昇。
実は会長と会うのは二回目だった私たち。
初めの出会いは茅葺のワークショップの講師として。
てっきり古代米の研究をしている大学教授だと思っていました(笑)。
↑講義されている会長
調査をお願いして姿を見たときは
『呼ぶ人間違えた?』と主人と顔を見合わせましたが。
それもまた、不思議な出会いですね。
↑葺き替えが始める前に亡くなった会長。
『わしこれから現場いかなあかんねん。』
と言っているような遺影だったそう。(どんな写真!?)
これを見ていたら喜んでくれたに、違いない♡
あなたのおかげで、このお家が存在します。
古民家が大好きだった河原会長に
敬意と感謝を込めて。
~古民家・メゾンU編 第6回 ~
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