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Column

古民家学校 Re-Minka LAB(Re 民家ラボ)7月 | イベントレポート | 船坂

7月のReMinka LAB開催レポート!【流しそうめんで夏を味わう!】

2025年7月19日(土) この日は、真夏日となりました!

西宮市山口町船坂にて、第3回目となる「ReMinka LAB(リ・ミンカ・ラボ)」を開催しました。

今回は暑さ対策のため、少し短めの15時解散。それでも内容は盛りだくさん!
古民家の床板を外す“解体作業”を中心に、竹の調達から調理、流しそうめん、畑しごと、座学まで──。
汗をかきながら、木と土と暮らしにふれる一日になりました。


まずは竹を調達!! 〜朝の静かな山の中からスタート〜

今回のReMinka LABは、なんと山の中での竹の伐採から始まりました!

朝のひんやりとした空気の中、棟梁とスタッフが地元の方にご協力いただきながら、
流しそうめんに使うための“立派な竹”を求めて、山へ入っていきます。

重たい竹をスタッフと一緒に、よいしょと古民家まで運んでいきます。

古民家に戻ってからは、棟梁による加工がスタート!
伐ったばかりの竹を手際よく縦に割っていきます。

「竹は上から入れると、パカッときれいに割れるんですよ」


そう話しながら、棟梁の鉈がスッと竹に入り、見事なまでに真っ二つに。
その手さばきは、まさに職人の技そのもの!

さらに棟梁は、余った竹を使って、そうめんのつゆを入れるための「竹の器」を一つひとつ手作り。
手に取ると、ほんのりと竹の香りがして、どこか懐かしいような優しい触感です。

この器は、当日の流しそうめんで使ったあと、そのまま参加者の皆さんへプレゼントとしてお渡ししました!

「家でも使いたい」「夏の思い出にぴったりですね」と嬉しい声もいただき、
まさに、自然からいただいた恵みを、手で加工し、暮らしの中に取り入れるReMinka LABらしいスタートとなりました。


参加者のみなさまと薪割りに挑戦!

昼食に予定している「流しそうめん」では、かまどで湯を沸かします。
その火起こしに使う薪を、みんなで割って準備することに!

まずは棟梁から、薪の上手な割り方をレクチャー。
「薪は、枝を下に向けて
根元から切るとキレイに割れるんですよ」と
コツも伝授してくださいました。

 

続いて、参加者の皆さんも一本ずつ薪割りに挑戦!
カーン!と小気味よい音が古民家の庭に響きます。

みんなで力を合わせて割った薪は、このあと本当にかまどで使われました♪


今回のメイン作業:床板の解体&家財の移動!

いよいよ、本日のメイン作業です。
今回のReMinka LABでは、古民家内にある家財の整理と、床板の解体作業を行いました。

まずは建具や和箪笥などの道具類を、次の工程に備えて一か所に移動。
重さのあるものも多く、参加者同士で声をかけ合いながら、慎重に運んでいきます。

今回の作業のなかで、ひときわ印象的だったのは、保管していた「桐ダンス」のお嫁入り

エピソード。(↑写真に写っている、桐ダンスです!!)
以前古民家リノベーションをされたお施主様から譲り受けたもので、大切に保管していたものでした。

そこへ、なんと熊本県から10時間かけてご参加くださった方が、
「ぜひ引き継ぎたい」と申し出てくださり、その場で桐ダンスをお渡しすることに。
大切に車に積み込んで、遠く九州へと旅立っていきました。

人と家、古民家と暮らしが、また新しいかたちでつながる――
そんな心温まる時間となりました。


かまどに火を入れる:夏のごちそうの準備

いよいよ、お待ちかねの「そうめん流し」の準備に取りかかります!

午前中にみんなで割った薪を、古民家のかまどへ。
パチパチと火花をあげながら燃える炎が、どこか懐かしく、力強く感じられます。

同時進行で、薬味の準備も。
畑で採れたばかりのきゅうりやミョウガ、大葉などを、皆さんで交代しながらカット!
どれも新鮮で、香り豊かな夏の恵みです。

切った野菜たちは、なんと棟梁お手製の“竹の器”に盛り付けていきます。
この竹は、朝に山から調達したもの。こうして、自然の素材が食卓を彩ります。

手間ひまをかけたごちそうの準備が、着々と整っていきました。


いよいよ実食!竹で流す、昔ながらの「そうめん流し」

準備が整い、いよいよお待ちかねの“流しそうめん”タイム!

棟梁が割って仕上げてくれた竹を、ちょうどいい角度でしっかりセッティング。
水を流すと、さらさらと涼やかな音を立てて、いよいよスタートです♪

節を取り除き、滑らかに仕上げられた竹の樋を、冷たいそうめんがつるりと流れていきます。


みなさん、目を輝かせながら、お箸を片手に夢中でキャッチ!

「取れた!」「あっ流れた!」と、あちこちで笑い声が響きます。

棟梁手づくりの竹の器や、薬味を盛り付けた竹皿にも
「かわいい〜!」「いい記念になります!」と嬉しい声が続々。

火をおこして、汗をかいて、しっかり動いたあとに食べる一口は、格別のおいしさ。
自然の中で味わう昔ながらの夏時間に、みんなの笑顔が広がっていきました。


夏野菜の収穫も!

お腹が満たされたあとは、恒例の畑タイム!

畑へ向かうと、そこにはぐんぐん育った夏野菜たちの姿が。
この日は、きゅうり・ナス・ミニトマト・ピーマン・大葉などがたっぷり収穫できました!

 

まっすぐじゃないきゅうりも、個性たっぷりでご愛嬌。
自然の力で実った野菜たちを、みんなでひとつひとつ手に取りながら、

「大きくなったね〜」
「これ持って帰ってサラダにしようかな!」

と、会話も弾みます。

ざるに並ぶナスやししとう、ミニトマトたち。
陽を浴びて育った夏野菜のつやと色に、思わず笑顔がこぼれます。

土と太陽から届いた、季節のごちそう。
収穫の喜びが、手のひらに伝わるひとときでした。


今回の座学テーマは「日本とヨーロッパの古民家文化の違い」

最後は、古民家についての知識を深める座学の時間です。

今回のテーマは、
「日本とヨーロッパの古民家文化の違い」——壊す文化と、使い続ける文化。

講師は、長年にわたり茅葺きや古民家の保全活動に携わってきた河原から。
デンマークに滞在し陶芸を学んでいたこともあり、
「住まいと暮らし」の文化的な違いを伝えてくれました。

たとえばヨーロッパでは、古い家を大切に住み継ぐ文化が根付いており、
なんとオランダでは、年間2000〜3000軒も“茅葺の新築住宅”が建てられているそう!

一方、日本では「家は壊して建て替えるもの」という意識が根強く、
伝統技術を持つ職人の高齢化も進んでおり、
今まさに岐路に立たされているのが現実です。

けれども──
日本の古民家には
「自然とともに生きる知恵」や「美意識」が込められており、
そうした価値を見直すことが、
これからの時代に必要ではないかと、河原は語ります。

今回のようなReMinkaLABの取り組みを通じて、
まずは小さな一歩から。


古民家にふれる体験を重ねることで、
未来につながる意識の変化や、
文化の継承のきっかけとなっていく——
そんな願いがこめられた学びの時間となりました。


ご参加ありがとうございました!

作業を通して自然と会話が生まれた一日。
暑さの中にも笑顔があふれ、心も満たされるReMinka LABとなりました。

また、船坂の古民家でお会いできますように。


次回のお知らせ

次回のReMinka LABは、なんと出張編!

8月は淡路島へ。現地の古民家見学&雑草引き体験を予定しています。
現地集合・自由解散の予定ですので、終わったあとは淡路島を自由に観光していただけます♪

ぜひ、夏の思い出にご参加ください!

【次回開催予定日】2025年8月23日(土)


詳細は追ってご案内いたします!

過去のReMinkaLAB(5月)レポートはこちらから

ReMinkaLAB(6月)レポートはこちらから

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